News 山口平和の祈り集会

 第二十四回山口平和の祈り集会が、「あしもとからの平和を祈る」とのテーマのもと開催され、県内二十五教会から百十人が参加した。【金光教報-天地】
 この日、各教会から寄せられた折り鶴二万三千一六五羽が奉献され、そのうち五千羽は七月二十日の広島平和集会に、一万八千一六五羽は慰霊碑ゆかりの「ヤマグチのヒロシマデー」(九月六日)で行われる「第三十四回山口原爆死没者追悼・平和式典」に、それぞれ供えられる。

 なお、本年も集会に先立って、七月五日、山口県中部教会連合会山口ブロック会の信奉者有志が、慰霊碑と周辺を清掃した。

原爆の語りと慰霊・祈願祭

 会場となった防長青年館パルトピアやまぐち(山口市神田町)大ホールの正面には、「天地書附」を中央に、「原爆死没者之碑」と「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の写真額が掲げられ、両脇には各教会から寄せられた「祈りの折り鶴」が供えられた。

 集会では、戦後六十余年が経過し、戦争体験が風化しつつある状況のもと、あらためて集会の原点に立ち返るとともに、被爆体験を聞くことで平和への祈りを新たにし、慰霊・祈願祭をお仕えすることを願って、はじめに山口県原爆被害者団体協議会会長の竹田国康氏による「原爆の語り」が行われた。

 竹田氏は、中学二年生の時、学徒動員されていた広島東練兵場(爆心地から一・八キロメートル地点、現広島市東区)で被爆。一瞬の閃光で全身が焼けただれながら、悪臭が漂う、まさに地獄絵図のような広島市内を通って帰宅した。その途中で見た光景や、被爆して亡くなった兄弟の様子などを語った後、「私たち被爆者は、世界中のだれ一人にも同じ体験をしてほしくない。そのことが実現するためには、世界平和に向けて語り合うことが大切だ。知らない者同士でも語り合うことによって、お互い兄弟姉妹のような愛情を持つことができる」と語りかけた。

 続いて祭典が仕えられ、典楽会西中国支部の楽人四人による奏楽に合わせて、祭主の河野計雄師(山口・徳山)以下四人の祭員が参向し、「平和祈願詞」奉唱の後、水を求めながら亡くなられたみたま様方に思いを込めて、伊藤真衣さん(山口・長府)、岡田千賀子さん(山口・長府)が「献水」行事を行った。

 祭詞奏上、祭主玉串奉奠に続いて、講師の竹田氏、来賓の被爆者援護施設「ゆだ苑」理事長および職員をはじめ、西中国教務センター所長、金光教平和活動センター理事長および専務理事、金光教広島平和集会実行委員会代表、全国信徒会代表、「韓日の平和交流を進める会」代表が、それぞれ玉串を供えた。

 その後、参拝者全員が平和への祈りを込めて作った折り鶴を、藤井千春君(山口・東小郡)、河合一夫君(山口・室積)が集めてご霊前にささげた。その間、山口県中部教会連合会と下関北教会のコーラスグループが「折り鶴」を演奏した。続いて、県内三教会連合会の信徒部を代表して、熊谷美智子さん(山口・柳井)、久保田貴美子さん(山口・東小郡)、岡田育子さん(山口・長府)の先唱で「集会の願い」を奉唱し、祭員退下後に、全員で「ふるさと」を斉唱した。

 続いて、西中国教務センターの山本正三所長が、「山口平和祈り集会をはじめ、私たちが取り組む平和活動の根底には、『人間はみな神の氏子』という教祖様のみ教えがあり、み教えを生活に現すことが、すなわち世界真の平和への取り組みでもあります。集会のテーマでもある『あしもとからの平和を祈る』取り組みが、山口から世界に広がっていくことを願います」という、教務総長メッセージを代読した。

 なお、会場には、「一食をささげるチャリティー」のブースが設けられ、子どもたちが募金箱を持って呼びかける姿も見られた。

「原爆死没者之碑」参拝式

 この後、「原爆死没者之碑」前(山口市宮野江良)に移動して参拝式が仕えられ、生花と折り鶴が供えられた慰霊碑を前に、伊藤薫実行委員長の先唱で「平和祈願詞」を奉唱した。多くの参拝者たちは、こうべをたれて平和への祈りを込め、最後に伊藤実行委員長があいさつした。

 集会を終えた参加者からは、「被爆体験を聞かせていただき、自分の問題として具体的に平和を祈ることができた」「炎天下の慰霊碑の前で、原爆投下当時の暑さを思い、当時をしのんだ」などの感想があった。

News Update:2008/08/26


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