News 東京平和集会

 東京センターでは、毎年、平和を願う人々が一堂に会し、祈りを共にしながら、さまざまな学習や情報交換をとおして、新たな平和活動を生み出すことを願い、「祈る」「学ぶ」「行動する」を三つの柱として開催している。【金光教報-天地】

 二十六回目となる本年の平和集会では、「どこまでも真の平和を求めて」とのテーマに基づき、〈学ぶ〉として「平和ゼミナール」を、〈行動する〉として「平和行進」を、〈祈る〉として「祈りのつどい」を行った。参加者は約百六十人だった。

平和ゼミナール 非戦への五つの『key』

 今回は、戦争や平和に関する問題が、あらゆる分野に深くかかわり合っている現状に着目し、戦争にかかわる「宗教」「経済」「環境」「法」「平和」という五つのキーワードに焦点をあて、「平和ゼミナール─非戦への五つの『key』─」と題して、「学ぶ」ことに取り組んだ。

 参加者たちは、ある学校の教室に模した会場で五つのキーワードをもとにした授業を受け、先生と生徒役に扮したスタッフによる掛け合いやクイズ、寸劇などをとおして、武力が戦争を誘引するだけでなく、経済格差を生み出し、環境を破壊することにもつながっていること、さらには武力によらない平和構築の大切さやその方法について学んだ。

 一時限目の「宗教と戦争」では、宗教と戦争の不可解な関係を、世界の歴史文化的な背景から学び、結局、宗教が戦争の直接原因でないことや、戦争をもって平和な世界は生み出せないということを知った。二時限目の「経済と戦争」では、戦争を産業として捉え、利益獲得をもくろみながらも、その戦争がもたらす人的被害や都市の破壊、さらには経済格差をも生み出し苦しんでいるという、ある国家の現実を学び、三時限目の「戦争と環境」では、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、電磁波爆弾など、戦争で使用されるさまざまな科学兵器が地球環境に及ぼす驚異的な被害の事実を知った。四時限目の「法と戦争」では、戦争を禁ずる国際的な法律はあっても、国によって意識の差があり、それを守らせる強制力がまだ弱い現実にあって、国際刑事裁判所を設立するなどして、法の強化に努め、不合理な武力行使や軍事力増強からの脱却を進めようとしている世界の動向を学んだ。五時限目の「戦争から平和へ」では、世界全体の一年分の軍事費(約百二十兆円)を使えば、世界中の兵器を廃棄することができたり(約二十兆円)、飢餓に苦しむ世界中の人々に一年分の食料を提供できたり(約十一兆円)、世界中の地雷を撤去できたり(約四兆円)と、平和に向けてのさまざまな活動が可能であることを紹介した。

 続いて、金光教平和活動センター(KPAC)の取り組みが、同センターの西村美智雄専務理事から紹介された。

 参加者からは、「戦争と平和にかかわる複雑な問題を解きほぐし、分かりやすく学ぶことができた」「私にもできる実践についてヒントを得た」「若い人の活躍に感激し、期待が持てた」と感想があり、ある中学生は「戦争の愚かさと平和の大切さがよく分かった」と話していた。 

平和行進

 あいにくの雨が降りしきるなか、七年ぶりに、金光教館(金光教東京教会)から千鳥ヶ淵戦没者墓苑までの約三キロを行進した。

 約六十人の参加者たちは、傘を高く掲げながら、「平和な世界を目差そう!」「他人の幸せを願おう!」「子どもたちに平和な世界を!」と力強く唱和を繰り返し、また、日本語と英語で平和行進の願いをアナウンスして、道行く人に平和の大切さを訴えた。

祈りのつどい

 「祈りのつどい」では、人間の平和ならざる行いによって命を失ったすべてのみたま様の立ち行きを願うとともに、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓い、ここからの「世界真の平和と人類の助かり」を祈った。

 千鳥ヶ淵戦没者墓苑では、首都圏信奉者有志で結成した平和合唱団による「献歌」、参加者代表による「献水」「献花」の後、黙とうが行われ、次に金光昌雄さん(東京学生会会長)が、「私たちは先人の歩まれた足跡を真剣に学び、歴史を認識し、『世界の平和・心の平和』を希求し、『祈り合い、話し合い、助け合って』まいりたいと思います。さらに、金光教人としての人格形成と、『あいよかけよ』で立ち行く世界顕現への不断の努力に生きることをここに誓います」と「平和への誓い」の言葉を述べ、最後に全員で「平和の祈り」を奉唱した。

News Update:2008/08/25


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