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「『武装解除』〝紛争屋〟が考える平和論」

bunkakoza-poster2005.jpg  金光教東京センターは2005年10月13日、NPO日本紛争予防センター所長代行・立教大学二十一世紀社会デザイン研究科教授の伊勢崎賢治氏を招き「こんこう文化講座」を開催した。
 同講座は、その時々の社会が抱える問題や課題をテーマに、各分野の専門家を招聘して開催している。
 講師は、日本政府の依頼を受け、東ティモール、アフガニスタン等の紛争地帯へ赴き、武器を一切持たずに武装解除や治安維持活動を呼びかける活動を行っている。


 活動概要の紹介と状況を理解することを目的に、2003年にTBSテレビで放送された「『情熱大陸』伊勢崎賢治/紛争解決請負人」が上映された後、次のように述べた。
 「私は、さまざまな軍事勢力が割拠する地域で中立の立場を貫いて、武器を放棄させ、戦闘員を離脱させ、社会復帰へと導いていく活動をしているが、武装解除といっても、平和に共感して武器を捨ててくれるのではない。実際には、政治的、経済的利害関係からの衝突の結果、紛争が起こる。紛争が終われば職がなくなる。代わりに稼ぐ場を与え、選挙に出たい人にはその機会を与え、利権が欲しい人にはそれに見合う立場を与える。そして殺し合いをしなくても、社会が回る仕組み作り提供すことで、国を平和へと導いている」
 質疑応答では、宗教と戦争の関係についても触れられ、「宗教は戦争がはじまるきっかけにもなるが、終わらせることもでき、平和へのきっかけにもなのだから、その役割は大きい。期待している」述べた。
 受講者からは「憲法9条を正面から考え、日本は何をなすべきかを具体的に考えさせられた」という感想が聞かれた。