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第23回 金光教東京平和集会

開催テーマ 「どこまでも平和を求めて」
日時:2005年7月17日
場所:場所 金光教館(イーストホール他)
内容:朗読劇 「降りそそぐ炎の中で~東京大空襲を生きた人たち~」
東京をはじめ関東地方の各地域は、度々空襲に見舞われ、多くの尊い生命が失われました。当時の記録や手記をもとに、戦中を生きた人たちの声が蘇る、朗読劇の上演しました。

子どものひろば 戦時体験タイムトンネル
子ども達と一緒に、ビデオ「ちいちゃんのかげおくり」を鑑賞し、戦争体験者のお話をお聞きして、いのちの大切さ、戦争の悲惨さを学びました。

平和祈願祭・平和行進
平和行進は、金光教館から横網町公園(墨田区)まで行進しました。

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第23回金光教東京平和集会は、「どこまでも平和を求めて」を合い言葉に、戦争の恐ろしさや悲しさを知り、未来へ向けて、平和の尊さ、大切さを語り継ぐことを願って、朗読劇のひろば、子どものひろば、平和祈願祭、そして平和行進を実施し、180名が金光教館に集いました。

朗読劇
「降りそそぐ炎の中で ~東京大空襲を生きた人たち~」
朗読劇は、戦争の体験談を語り継いでいくために、特に関東地方の従軍・銃後の生活に焦点をあてて、教内外の図書から調査収集した戦争体験の手記と、関東教区内の戦争体験者にインタビューを実施した記録を基に80分のシナリオを製作し、上演した。
昭和20年8月15日の終戦までに、関東教区内の五十四の教会・布教所が空襲によって罹災し、4教会が強制疎開を余儀なくされている。今回の朗読劇作成にあたって行った戦争体験者へのインタビューに、罹災した教会やかろうじて被害を免れた教会のことについての口述もあり、当時の様子を今に語りつないでいくことができたのはとても貴重なことである。
朗読劇を観た戦争体験のある参加者からは、「戦渦を生きた人たちの苦労や悲しみが、自身の経験と重なり合い、とても切なくなった」との感想が聞かれ、また、戦争体験のない若い世代の参加者からは、「戦争によって、生命への感覚が麻痺させられてしまう狂気の世界に、驚き、恐怖、憤りのいりまじった感想を持った。戦争は、絶対におこしてはならない」という声があった。これからの非戦への取り組みの一助に、今回の朗読劇がなることを願ってやまない。

子どものひろば 戦争体験タイムトンネル
子どものひろばは、まず戦時中の子ども達が暮らす様子を写した実写ビデオを見た後、戦争体験者三名から戦時中の食べものや学校生活のことを伺った。戦時中は、支給されるわずかな食べ物をいかにおいしく量を増やす工夫をしていたかや、食べ物だけでなくあらゆるものを大事に大切にしていたことを教わった。また、学校で教わったことは間違っていても疑うことなく従っていたとして、教育の大切さについて語ってくださった。そして二度と戦争を起こしてはいけないというメッセージを子ども達に託した。
次に、スタッフ力作の手作りの防空壕で防空壕体験をした。空襲警報が鳴り出すと、急いで防空壕に避難し、真っ暗ななか肩を寄せ合いじっと息を潜めて空襲が終わるのを待った。戦時中は、固唾をのんで警報が解除されるのを待ったという。
その後、ビデオ「ちいちゃんのかげおくり」を鑑賞した。(あらすじ下記参照)ビデオ観賞後、「昔体験」ということでみんなで糸電話を作ったり、ラムネやポンポン菓子をおいしくいただいた。
子ども達は、戦時中の話を聞いたりビデオを鑑賞して、初めての昔話にびっくりしながら、戦争はいけないことだというメッセージをしっかり胸に刻んだ1時間半だった。

「ちいちゃんのかげおくり」あらすじ 
物語は現在小学三年生の教科書に掲載されている。ちいちゃんはお父さんとお母さん、そしてお兄ちゃんの四人家族。お父さんが出征する前に家族でお墓参りをしたとき、みんなで「かげおくり」をして遊んだ。ある夜、ちいちゃんの住む町にも空襲があり、たくさんの爆撃機がきて焼夷弾を落とした。ちいちゃんはお母さんとお兄ちゃんと三人で一生懸命逃げたが、いつのまにか二人とはぐれてしまい、ひとりぼっちになってしまった。ちいちゃんは「かげおくり」をして寂しさを紛らわせながら焼け跡でお母さん達を待ったが、やがて力つきてしまった。天国でやっとお父さんやお母さん、お兄ちゃんと会うことができた。
    
平和祈願祭
「平和祈願祭」では、心ならずも平和ならざる状況のもとに尊い命を終えられたすべてのみたま様(死者)と参拝者(生者)が、時間(過去[先祖]、現在[私]、未来[子孫])、空間(場所)、立場(国家、民族、敵・味方、正・邪)等を超えて共につどい、みたま様のみ心と私たちの心を一つにして、生神金光大神様 天地金乃神様に平和を願った。
祭典では参加者一人ひとりが、三代金光様が書かれた「平和」の文字をあしらった缶バッジにリボンを付けたものに、今日のひろばで感じたことや平和への思い、願いを記しお供えした。

平和行進
平和行進は、第2次大戦後60年ということで「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」がある横網町公園に向かって行進した。参加者は、祭典でお供えしたリボン(祈りの共有ということで他の人のメッセージが入ったもの)を身につけ、メッセージカードを首からかけ、幟を手にし、「戦争をするな」「武力行使をするな」「平和な未来をつくり出そう」などのシュプレヒコールを唱和して行進した。
行進には3才の子どもから高齢の方まで、様々な思いを持ち、世界真の平和を神様に祈り、社会に対して平和な世界を作ることをアピールした。2.8キロの道程を約1時間ほどかけて行進した。
行進後、「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」の前で、ご祈念し解散した。参加者は、71名だった。