第38回金光教東京平和集会(報告)
金光教東京センター(大木光雄所長)は7月18日、東京都千代田区の金光教館で第38回金光教東京平和集会を開催。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンラインを併用して35人が参加した。
今回は「いま目の前にある危機-地球温暖化」をテーマに行われた。「学びのひろば」では、初めに、地球温暖化の仕組みやその影響による現象「ホットハウス・アース理論」が紹介された。この理論では、2030年には地球の平均気温が不可逆的な臨界点に達すると考えられ、温暖化による海水温度の上昇に伴い、永久凍土の融解や熱帯雨林のサバンナ化といった、危機的状況を迎えることになる。
次に、「人(じん)新(しん)世(せい)」という学説を紹介。人新世とは、人間の活動が地質学のレベルで影響を与えていることを示す地質年代を区分する用語で、人類の活動がすでに地球全体に影響を及ぼしているとし、その最たる問題が地球温暖化であると警鐘を鳴らす。また、「脱成長」という考え方について、「経済成長を追い求めることは、未来世代への搾取となり、本教信奉者として温暖化から見えてくる社会の在り方に目を向け、信心の目を通して、良い在り方とは何かを求めていく」ことの大切さが示された。
その上で、私たちが取り組むべき具体的実践について、衣・食・住のカテゴリーから、フードロスやごみの削減などの実例が紹介され、それぞれの生活様式に合わせたサステイナブルライフ(持続可能な生活)を目指そうと呼び掛けた。
最後に、「10年前の東日本大震災と原発事故を受けて、便利さばかりを求める在り方を反省し、改まることを誓ってきた。しかし、人間中心の在り方は簡単に変わるものではなく、その一つが地球温暖化の問題である。今日の集会をきっかけにこれまでの生活を改め、地球温暖化抑制に積極的に取り組んでいきたい」と、まとめがあった。
続いて、戦争死者慰霊・平和祈願祭が大木所長を祭主に仕えられ、祭主は祭典後、「『万国まで残りなく金光大神でき』とあるように、金光大神になるということは、人を助け、世の在り方を構造的な問題を含めて祈り進めていくこと。世界の平和と人類の助かりを生み出すためにも、一人一人が金光大神様にならせて頂くという願いを持ちつつ、人を助け、世を救う働きを進めさせて頂きたい」とあいさつした。