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第18回 金光教東京平和集会

開催テーマ 「差別ー人権ー」
日時:2000年7月20日
場所:金光教館イーストホール・千鳥ヶ淵戦没者墓苑
内容:子どものひろば「感じよう差別」
大人のひろば「よくつく、身につく、人権ゼミ」
平和行進、祈りの集い、HTP販売、メッセージキルト展、託児・救護コーナー


 金光教東京センターでは7月20日、金光教館イーストホール(東京都千代田区)で、第18回金光教東京平和集会を開催し、250人が参加した。
 今年は、「差別ー人権ー」をテーマに、「学びあい ふれあい 新たな出あい」を合い言葉に掲げ、大人と子どもに分かれて、人権問題や差別問題について学習。その後、千鳥ヶ淵戦没者墓苑まで平和行進を行い、同所で戦没者を慰霊し、平和を祈願した。
また、常設ひろばでは、タイの農村や少数山岳民族の女性たちの作った手工芸品を販売し、彼女たちの自立に協力する「ハートフル・トレード・プロジェクト」の店や、フィリピンの孤児たちに贈る肌かけを展示した「メッセージキルト展」も開かれた。
 集会は、東光合唱団の歌声でスタート。その後、平和への願いを絵画や作文、標語、写真でアピールする「第13回平和へのメッセージ」の表彰式が行われ、作文部門で優秀賞に輝いた伊藤和子さん(平針教会・44歳)が出席した。
伊藤さんは、「祖母(母の兄が戦死)の気持ちになって書いてみました。我が子を失う苦しみは、自分も母親として同じ気持ちを持つと思うので、祖母のつらい思いを、もう誰も味わうことのないよう、平和への思いを綴りました。信心は母から受け継ぎました。昨年も優秀賞を頂きましたので、来年は最優秀賞をめざしてがんばりたいと思います」と受賞の喜びを語っている。
 「大人のひろば」は、「よくつく、身につく、人権ゼミ」のタイトルで、日常生活の中で知らず知らずに行っている差別や人権侵害について、ロールプレイ劇とトーク形式で行われ、外国人差別、エイズ差別、同和問題、セクシャルハラスメント、差別用語について学び合った。
 最後に今回の企画に当たった湯川浩一先生(東京都銀座教会)から、「今回、企画をしながら学んだことは、差別や人権侵害の問題は、どのようなことをしたり言ったりすることで、相手がどのような思いになるのか、常に気を配ることが大切だと知りました。今回の集会が、身近なところにある差別意識や人権侵害を考えるきっかけになってくれたらありがたい」とまとめを述べた。
 「子どものひろば」では、40名の子どもたちが参加。ゲームとビデオ鑑賞で友達と仲良くすることの大切さを学び、神様へのメッセージを書いて神様に送った。
 ゲームは、参加者それぞれに番号札を配り、合図とともに自分と同じ番号の人を探すもの。番号がそろった人にはゼリーがもらえるが、同じ番号がなかった人には何ももらえない。数名がもらえず、がっかりする姿も。
 ビデオ鑑賞は、「二匹の猫と元気な家族」を上映。阪神大震災で被災して東京に引っ越してきた家族が、それぞれにいじめられたり逆に差別する側にたってしまったりを経験する。その中で、困っている人がいたら声をかけていこう、助け合っていこうと思い直していく姿が描かれたもの。
 感想を発表しあったが、「いじめの場面に出くわして、注意できなかった人の気持ちがよくわかる」「自分がいじめられるのいやだからいじめてしまったことがある。でも後ですごく罪悪感があった」などの声が聞かれた。
 そして今の自分の気持ちや願いを、牛乳パックで手作りされたはがきに書いて、「神様」に送った。このはがきは、1年後にそれぞれの自宅に送られるとのこと。
 最後にリーダーから、「みんなの心の中には、困っている人や悲しんでいる人を見たら『かわいそう、何とかしてあげたい』と思う心があります。それが私たち一人ひとりに神様から頂いている『神様の心』なのです。この神心を大きく育ててほしい」とのことばがあり、ゲームでゼリーをもらえなかった参加者にゼリーを渡され、一人ひとり撮ってもらった「プリクラ」の写真をもらって解散した。
 続いて、横断幕を先頭に、金光教館イーストホールから千鳥ヶ淵戦没者墓苑まで「平和行進」を行い、道行く人に平和の願いをアピールした。
 「祈りの集い」では、献水、献花、黙とうの後、浅野善雄東京センター所長が「私たち金光教信奉者は、世界のどこに生まれても、どんな皮膚の色をしていても、天地の間に住む人間は、皆ひとしく神様の子であることに思いを寄せ、お互いが命を脅かし、命を傷つけ殺し合うことは、神様や戦争の犠牲になられた平和の礎たる御霊様にとって嘆きと悲しみ以外の何者もないことを知らねばなりません。明年から向かえる21世紀は、お互いの違いを認め合い、共存、共生していく平和の世紀にしなければなりません。今日の集会を通して、改めて一人ひとりがささやかな小さな取り組みであっても、身近な平和実践から世界真の平和達成への大きな実践へと、深い祈りと大きな行動を持って、ここからその達成に努めてまいりたい」あいさつ。全員で「平和の祈り」を奉唱して集会を終えた。
 参加者からは、「毎年参加していますが、金光教の願いをアピールするいいチャンスだと思います」「金光教はなかなかアピールすることが少ないから、こういう形で実践して平和を訴えていくことの大切さを感じます」「年に一回しか平和について色んな問題を考える機会が少ないのが残念ですが、お互いの取り組みの中に、今回の集会を生かしていってほしいと思います」との声が聞かれた。