アフガニスタン現地報告会
金光教東京センターは2002年5月8日、金光教センタービルで「アフガニスタン現地報告会」を開催し、22人が参加した。
講師は、シャンティ国際ボランティア会緊急救援室室長の市川斉氏。同会は、これまでに3回、アフガニスタン国内で食糧配布を実施し、昨年12月からは、難民子ども支援事業も開始している。
市川氏は、昨年から3回、現地を視察訪問し、なかでも今年3月中旬から4月中旬までは、第3次食糧配布と教育状況の調査に当たっており、現地の状況や取り組みについて説明が行われた。
第3次食糧配布では、ナンガルハル州ディアムール郡のシモル村、ワイゲル村、ヌーリスタン州ニーラブ・カリアなど米軍等の攻撃の影響と旱魃の被害を受けた地域を中心に、小麦粉や食用油、お茶、砂糖などの配布を実施した。配布に当たっては、各地域のマリック(村長)やトライバルリーダー(部族長)らと組んで活動することが重要とのこと。
また、3カ所の難民キャンプでの子ども支援事業については、ネジャット・センターの施設を利用し、約60人の子どもたちを対象に、デイケア・サービスを通して心身の健康を取り戻してもらうもので、カウンセリングや栄養補給、教育の機会の提供などを通して自立の為の支援を図っている。子どもたちの多くは、ストリートチルドレンの経験や売られそうになった経験を持つ。両親の状況に関しては、戦争で親を亡くしたり、親が存在していても、親が薬物中毒であったり、障害者であることが多く、子どもたちが立ち直っても、その家族の抱える本来の問題が解決していないので、それをどうするかが課題としてあげられている。
そして、各村に共通する今後の課題として、道路の整備、病院や学校の建設の必要性を述べた。