与えられてある
2021.12
金光教東京センター次長
荻 野 理 喜 之 助
いま脱炭素社会に向けて様々な取り組みが広がっております。再生可能エネルギーや電気自動車をはじめ、テレビニュースやコマーシャルなどを視ていると、次々と新しい技術が紹介されていて、何か近い将来、あっという間に困難を乗り越えられそうな気にさせられたりもします。
確かに新しい技術によって、前進することはたくさんあるでしょう。しかしどうしてもそれだけで済むのだろうかという気もします。どこまでいってもその新しい技術を使うのは人です。その人がどのようにその技術を使うのかということがあるからです。
ある技術が改善されて二酸化炭素の排出量が減るとしても、その技術が普及してコストが下がり、その利便性からよりたくさん利用されるようになれば、結局、現実的にはほとんどその効果が消えてしまうということもあり得るでしょう。それを使う私たちがどんな価値観をもっているのかを考えなければいけないことなのではないでしょうか。