読む信心-ご神米が神縁の契機に

 「金光教の信心は、人と共に助かる信心です。おかげは、人と一緒に頂くことが大切ですね」。【金光新聞】



 教会にはきょうも、お結界での先生の話に熱心に耳を傾ける川上照美さん(56)の姿があります。 

 川上さんは、二男一女の母親として、また仕事を持つ女性として日々忙しく立ち働いています。彼女が信心を始めたのは、8年前の冬のこと。二男・浩二君の高校入試がきっかけでした。
 第一志望校一本で受験した浩二君でしたが、残念ながら不合格になってしまい、親子共に落胆し、途方に暮れていました。

 そこへ、浩二君と共に受験勉強を頑張ってきた友人の母親で、川上さんとも親しい加東さんが訪ねてきました。

 加東さんは、川上さんがふさぎ込んでいることを知り、「何とか浩二君に神様のおかげを頂いてほしい」と、参拝している教会で川上さん親子のことを願ってくれていたのです。「私、金光教の信心をしているの。浩二君が私立高校受験に失敗したことを知って、教会の先生に『どうか、次の公立高校入学試験に受験ができ、合格することができますように』とお願いして、このご神米を頂いたから、よかったら受け取って」と言いました。

 川上さんは、「ありがとう。頂くわ」と、ご神米を受け取ると、「私もその教会に連れていってくれない?」と、加東さんに頼みました。

 翌日、加東さんに伴われて参拝してきた川上さんに、ご祈念を終えた先生が言いました。「川上さん、一緒に浩二君の高校入学を神様にお願いしましょう。これからも教会へ参拝できますか」。

 「はい」と答えた川上さんは、是が非でもおかげを頂きたい思いで、翌日から参拝を始めました。

 その後、浩二君は気を取り直し、他校への受験手続きを願い出て受験準備に励み、見事に合格することができました。

 川上さんの教会参拝は、それで途絶えることはありませんでした。高校受験合格を祈願しての参拝の中で、先生と一緒にご祈念してお結界で聞いた話が、川上さんの心を少しずつ神様へ向かわせ、信心のありがたさを感じるようになったのです。

 神様をしっかり頂こうという思いが教会参拝の継続につながり、その後起きてきた子どもたちの進学、就職、職場での人間関係の問題、両親の介護などの上に、一つ一つご都合を頂き、立ち行きにつながっていきました。

 「加東さんから金光教を教えて頂き、信心しておかげを受けてきたことを、このままにしておいてはもったいない。家族や友人にも信心のありがたさを知ってほしい」
 川上さんは8年前、加東さんから受け取ったご神米と一緒に、人を思う優しさと祈りをしっかり受け取っていたのでしょう。その思いと祈りを、川上さんは今、家族に伝えようとしています。

 出勤する夫や子どもたちの後ろ姿に手を合わせることに努め、家族一人ひとりがその日一日、神様のお働きを頂いて過ごせるように祈っています。

 その姿を毎日見ている子どもたちは、朝の慌ただしさの中で川上さんがご祈念を忘れることがあると、「お母ちゃん、いつものをして」と催促することもあります。

 祈り合い、助け合いの和が広がることを楽しみに、きょうも教会へ向かう川上さんです。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。


Get Adobe Readerご覧になるにはAdobe Readerが必要です。お持ちでない方は右のバナーよりインストールしてください。(無償)

読む信心-Update:2008/12/05

最近の 読む信心- 5

  • 金光新聞データストック
  • 金光図書館ホームページ
  • ラジオ放送 金光教の時間