金光教麻布教会 松本信吉先生 (ナレ)私の奉仕する金光教麻布(あざぶ)教会を拠点に活動する劇団があります。アルファベットのG・A・Hで、「ガー」と呼びます。元々は別々の活動をしていたメンバーが集まり、劇やコントで子どもたちを笑顔にしたいとの思いから、2016年に劇団GAHは誕生しました。劇団を主宰する源清治(みなもとせいじ)さんは私の弟でもあり、私も彼らの思いに感銘を受け、教会のホールを稽古場所として使ってもらい、活動の後押しをさせていただいています。
(音源)ここは今、「子どもたちの笑顔のために」という目標があって、みんなで笑い合いながらやってるんですけど、すごく何かそれが素敵だなと思って…子どもたちの笑い声とか、距離も近いですし、普通の舞台とか劇場より、全然身内感覚でやってるんですけど、それもまたすごい良くて…。子どもたちを笑顔にしてあげようという思いで、こっちがやってあげてるという思いで始めたんですけど、逆にもらってるものがたくさんあるなということに、次第に気付いてきました。素晴らしいことをやらせていただいているなと思っています。 (ナレ)また、松良茉侑(まつらまゆ)さん21歳は、声優の学校に通うために上京しました。今は卒業し、アルバイトをしながら、劇団GAHでも生き生きと活動しています。 (音源)やっぱり声優になりたいという気持ちで上京してきたので、学校で学んでることを、こういうGAHでのコントとかで生かしていけたらいいなという気持ちで最初はやってたんです。けど、それよりもここでコントとか何度も出させてもらうにつれて、学校で学んでることじゃないことを…それこそ子どもたちとどう触れ合っていくべきなのかとか、お芝居の技術じゃなくて、どういう関わり方をしていったら周りのみんなが笑顔になってくれるかということを学ばせてもらっていて。笑ってくれたらうれしいし、こっちも向こうが笑ってくれたら笑顔になれるし、お互いの関係でお芝居というのができてるんだなということを、ここで一番学びました。 (ナレ)2020年の2月、麻布区民センターで上演された「があ校」はGAHの学校という意味で付けられたタイトルで、大勢の子どもたちを含め、3日間5公演で520人の観客を動員。舞台の役者と客席と一体となって劇を楽しむのがGAHの演劇の特徴です。 (音源)でも「があ校」も、ここでご近所さんを含めた小さいコントだったのが、まさかあんな大きな劇場でやらせてもらえるようになるとは思ってもみなかったので、すごい幸せなことだと感じてます。 (ナレ)メンバーそれぞれが手応えを感じ、劇団活動が波に乗り始めた矢先、新型コロナウイルス感染症が拡大し、活動が厳しくなります。
(音源)コロナで不安を感じない人はいないと思うんですよ。みんな周りもマスクをしてるし、周りがコロナ持ってるんじゃないかみたいな…テレビとかも、けっこうやばいぞみたいな感じで流されるんで。でもやっぱり演劇を通じて僕が感じているものは、「人と人とのつながり」とか、なんだろうな。「助け合う」「一人じゃ人間生きていけない」ということを30歳になってヒシヒシと感じてるので。やっぱり笑うということはすごく大事だと思うし、むしろ今、一番必要なことなんじゃないかと思うんです。 (ナレ)新型コロナウイルスが流行し、感染の不安や、人間不信で孤独に陥ったり、寂しさが募る中、彼らは東京都が募集した「アートにエールを!」という事業に自分たちの作品の動画を応募し、見事入選しました。
|
||