シリーズ「あなたへの手紙」第4回
●金光教の特質/離婚したい

金光教放送センター



おはようございます。金光教墨染(すみぞめ)教会の松岡光一(まつおかこういち)です。
最初は、大阪府にお住まいの50代の男性からのお尋ねです。
 「世の中にいろいろな宗教があるのは、それぞれに特質があるからだと思いますが、金光教は、何が他と違っていて、何が誇れるところだとお考えでしょうか」

 こういうお尋ねです。

 確かに世の中には、いろんな宗教がありますよね。歴史の古い、伝統的な宗教もあれば、新興宗教とよばれる新しい宗教もあります。金光教は、誕生して160年あまりですので、そこそこ歴史を積み重ねてきていますが、仏教やキリスト教などに比べると、まだまだ新しい方かもしれません。
 そうとして、お尋ねにありました、他宗教と違って金光教の誇れるところについてですが、他宗教と違うかどうかは分かりませんが、私が感じている金光教のいいなあと思うところをお聞きいただきたいと思います。
 それは、「自由で、縛りやとらわれのない信心」ということです。宗教というと、よく洗脳されるとか、取り込まれるとか、抜け出せなくなるというイメージを持つ方がありますが、金光教には、そうした面が一切ありません。参拝するのもしないのも自由ですし、献金するのもしないのも自由です。献金をするにしても、その金額も自由な宗教なんです。それは、お参りする人それぞれの事情が違いますから、その人にあった信心のスタイルを大切にしているということなんです。
 金光教の信心の特徴的なものとして、取次があります。これは、お参りした人が、教会の先生に自分の悩みや願いを聞いてもらい、それを先生が一緒に神様に願ってくださり、そして、その人その人の助かりに向けての話をしてくださるというものです。人によって、悩みも願い事も違いますから、先生が話される内容もそれに応じて違ってきます。
 以前、ある方から、「金光教はオーダーメイドの宗教なんですね」と言われたことがあります。一人ひとりの注文に合わせて作っていく「オーダーメイド」と言われてみて、私の方が、「なるほど。そうだな」と納得したのですが、金光教は、一人ひとりに合わせた信心を大切にしている宗教ということが、特質の大きな1つになると思います。
 どうぞ一度お近くの教会にお参りしてみて、そのオーダーメイドの信心を体験してみてください。

 次に、愛知県にお住まいの40代女性からのお尋ねです。
 
 「夫はいわゆるフラリーマンで、勤めが終わると、カラオケやゲームセンターなどで時間を潰して帰ります。無駄にお金を使い、家事や育児に全く協力してくれないので、腹が立って仕方がありません。子どもが成人したら離婚しようと真剣に考えているところです。どうしたらよいでしょうか」

 自分は、若いつもりでいましたが、いつの間にか老眼になっていました。最近は肩や腰も痛み出し、つくづく年を取ったと感じます。
 それで妻に、自分の体調のことを分かってもらいたいと思って、「目が見えにくい」とか、「肩が痛くて、手が上がらない」とか伝えるのですが、妻は決まって、「あなたは口を開けば愚痴ばかり。聞かされる者の身になってよ!」と、私を責めるような言葉が返ってくるのです。
 私としては、妻が私の話を受け止めてくれさえすれば満足なんですが、なかなかうまくいきません。

 こういうお尋ねです。

 「フラリーマン」というのは、仕事が終わっても、フラフラと寄り道をして、すぐに自宅に帰らない人たちのことを指す最近の言葉ですよね。ご主人が、その「フラリーマン」で、ご家庭のことを全く考えておられないというのは、困ったことですね。お子さんが成人したら離婚も考えているとありましたが、そこまで我慢して今の関係を続けられるのでしょうか。自分のことしか考えない人と一緒に生活をされていては、あなた自身も、子どもさんも、苦しいだけではないでしょうか。
 まず、一番大切なことは、あなたが今抱えている不満や不安を、ご主人にきちんと伝えることだと思います。一緒に暮らしている家族が抱えている苦しみを、共に理解し合うことができてこその家族であり、夫婦であると思います。
 まずは、あなたから、あなたの正直な思いをご主人に伝えることから始めてみてはどうでしょうか。もしも、あなたの言葉に、全く耳を貸さない人であったなら、その時は、別れることも選択肢の1つだと思います。
 でも、あなたの話を少しでも聞こうとしてくれる人であったなら、あなたもご主人の気持ちをきちんと聞いてあげてほしいと思います。ご主人が、なぜカラオケやゲームにお金を使うのか。なぜ家に帰りたくないのか。家事や育児をどう考えているのか。
 お互いが心の中にしまっている思いをゆっくりと出し合い、じっくりと話し合うことができるのなら、ここから夫婦の関係は改善できていくはずです。夫婦の関係が良くなるチャンスだと思います。
誰でも自分が正しいと思っています。夫婦の関係も親子の関係も、職場での人間関係も同じです。お互いが、自分が正しい、相手が間違っていると、相手を責めるだけで、向こうの言い分を聞こうとしなければ衝突しか起こりませんし、それではお互いが助かりません。
 話し合いとは、お互いの意見や主張をぶつけ合うことではなく、相手の言うことをよく聞き合うことだと思います。お互いに主張するだけでは話し合いになりません。相手の意見をよく聞くことが基本でなければ、良いものは生まれませんし、話もまとまりません。
 相手の話がしっかり聞けますようにと、神様に祈りながら、ご主人との話し合いの時間を持っていただければと思います。

 


 


 

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