●信心ライブ「誕生日を大切に」

金光教放送センター



  皆さんは、誕生日を大切にしていますか?  
 プレゼントをもらったり、ごちそうやケーキを食べたり、みんなにお祝いしてもらえる誕生日はとてもうれしいですよね。 
 金光教では、誕生日に神様にお礼のお届けをします。心や体の成長、人として学ばせてもらったことなど、ここまでお育ていただいたお礼を申し上げるのです。
 今日のお話は、その誕生日について、金光教本中野(ほんなかの)教会の浅野善雄(あさのよしお)さんが令和元年6月2日、東京の麻布(あざぶ)教会でお話しされたものをお聞きいただきます。

 私ども一人ひとりの人生の始まり。それは、誕生ということが原点です。一人ひとりにとって一番掛け替えのないありがたい日というのは誕生日であります。お正月になると、みんなも大みそかまで家族で口げんかしてても、何となく心改まって元日を迎えると、「おめでとうございます」。「おめでとう。今年もよろしく」とあいさつを交わします。
 しかし、一人ひとりにとって、元日にもまして尊いのは、何月何日という生まれ月日、それが尊いわけです。亡くなるということはつらいことで、寂しいことです。しかし、そんなにつらく悲しいことなら、その人が1年1年、年を重ねている時に、どれだけありがたいこと、うれしいこととして喜ばせてもらっていたかということを顧みなければいけないと思うんです。逆に1年1年のその誕生日、年を重ねるということをみんなで喜び合いをさせていただくということが大事なわけでございます。
 私は昨年の12月で70歳、古希を迎えました。教祖様と同じ年までお生かしいただいた。もったいないことだと思っております。父は64歳で亡くなっております。実母は28歳で亡くなって、継母は67歳で亡くなっています。区民検診なんか行きますと、いろいろ検査結果の数値が出る。「その年でこれならありがたいですね。親に感謝しなければいけませんね」と言われます。感謝すべき両親はいないわけで、御霊様に対してありがとうございましたというようなことで、親の年を越させていただき、また教祖様と同じ年までお生かしいただいてもったいないことだと思わせていただいております。
 私には娘がいますが、この娘が生まれるのは連れ合いの実家近く、岡山の田舎の産院でした。なかなか予定日を過ぎても陣痛が起きずに、10日ほど予定日から延びました。そしてようやく自然分娩で生まれさせていただいたんですが、やはり難産だったせいか、赤ちゃんの具合が少しよろしくない。それで、すぐに町の方の総合病院、小児科のあるところへ搬送しなければいけないということになりました。
 連れ合いの方は1週間ほどで退院させてもらいましたが、娘の方は総合病院の小児科で2週間お世話になった。その間どうしたかといいますと、母乳を絞って、それを凍らせて、総合病院に運んで、そこで解凍して人肌くらいに温めて、ほ乳瓶で母乳を飲む。そういうことを実家の家族がいろいろと手伝って世話をしてくれました。
 私はそのことがすごくありがたいこと、忘れてはいけないこととして、娘も少しずつ年を重ねて小学生くらいになると、「あなた、こうだったんだよ。ああだったんだよ」と申すようになる。そして誕生日のお届けの時には、「あなたはこのことを忘れてはいけないよ。誕生日のお届けを自分でしなさい」というふうに言うわけですが、「またこの話か」と、子どもの方はいわゆる耳にたこ状態。耳にたこでもいいから、とにかく確認しなくちゃいけない。自分の生の原点、それをもう40回ほど、40年間 折に触れて、とりわけ誕生日の時は申してきているようなことです。
 ご信者さんにも私は、「とにかく1年の中で一番ありがたい日、大切な日は誕生日ですよ」と申しております。そういう中で、「ああ、本当にそうだなあ」と実感された方、ご家族、お子さんお孫さんに至るまで20人ほど、月々のお参りの時にその方の名前を書かれて、「今月は誰々の誕生日です。ありがとうございます」。「今月は孫の誰々の誕生日です。ありがとうございます」。誕生日を迎えられないということは、そこで終わりということですから、逆に誕生日を迎えるということがどれだけありがたいことかというのを、やはりその方なりに確認をしておられるわけです。


 いかがでしたか?  皆さんは自分が生まれた日のことをどこまで知っていますか? 安産で元気に生まれてくるだけでも、大変なことですよね。そこに関わってくれた両親や家族、お医者様や看護師さんをはじめ、様々な方々の支えがあって私たちは生まれてきます。そして、そこには神様やご先祖のお守りもあるに違いありません。
 皆さんも、ご両親やご家族、関わりある方々に、自分の生まれてきた時のことを尋ねてみませんか? そこには思いも掛けない事柄や発見があるかもしれません。
 そうして今日の自分があることにお礼を申し上げる中で、ここからの人生に新たな糧が生まれてくるかもしれません。      どうぞ、ここからのあなたの人生が幸せでありますように!

 


 

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