ひゃくまんとうだらに
百万塔陀羅尼
奈良時代の女帝、称徳天皇(718-770)の発願により製作された百万基の小塔およびその中に納められた経をいう。経は、制作年代が明確なものとしては世界最古の印刷物と言われている。
百万塔とは、中に『陀羅尼経(だらにきょう)』を納めた木造の小塔のことを言い、宝亀元(770)年4月、10か所の大きなお寺に分置されたと伝わっている。現在は法隆寺にのみ、塔身4万5755基、相輪2万6054点が保存されている。

本館所蔵の木製小塔は構造は、3層の屋蓋(おくがい)と基台からなる塔身部と相輪部に分解することができる。それぞれロクロを使用して作成されており、表面には白土が塗布されている。塔身部には3層めの屋蓋の上部から真下に向かって孔が空けられており、その中に陀羅尼経が1巻納められ、相輪部の下端を孔に差し込んで蓋としている。
相輪の墨書銘から神護景雲4年に「左」の工房組織で作られたものであることがわかる。

この大事業が、わずか5年半で達成されたことは、当時高度な木工技術による大量生産体制が確立されていたことと、奈良仏教の国家との結びつきがうかがい知れる。
本館の百万塔の中に納められた版行の印刷物は、秘密部に属する『無垢浄光大陀羅尼経』であり、現在、法隆寺にも34余巻が保存されている。
天平時代末の代表的な写経の書風をとどめている。




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