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森の中のオフィス(生長の家)訪問

 金光教東京センターは12月17日、職員研修で山梨県北杜市にある宗教法人「生長の家」国際本部(森の中のオフィス)を訪れ、施設の見学と同教団参議、広報・クロスメディア部部長の山岡睦治氏らと相互懇談をした。
 同教団は地球温暖化の抑制に向けて、2001年に宗教団体として初めて環境ISO14001の認証を取得。7年後には、国内の全事業所66箇所で認証取得を達成し、同時に教団の活動から排出するCO2を相殺する“炭素ゼロ”運動も展開してきた。


 施設到着後、山岡睦治氏から「自然を征服していくことを今まで人類はしてきた。そうではなく自然と共に生かさせて頂くという宗教の本来の目的、願いのすべてがこのオフィスの細部にわたって貫かれていると考えている。私たちの環境に対する考え方、自然に対する捉え方を見て頂ければありがたい」と挨拶を受け、施設に関わる概略をまとめた映像を観た後、実際に施設内部やエネルギー棟にある木質バイオマス発電装置やリチウムイオン蓄電池などの最新設備を見学し、説明を受けた。
 この森の中のオフィスでは炭素ゼロの実現のために最新の環境技術を組み合わせて、建物全体の断熱性能を高め、屋根の太陽熱を床下に集めて蓄熱するシステムを導入するなど、様々な工夫を行い、電力システムは、オフィスの炭素ゼロを実現するため太陽光発電と木質バイオマス発電によって発電し、脱原発を視野に最新の大容量リチウムイオン蓄電池を導入し、自然エネルギーによる電力需給がほぼ可能となり、日本初のZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)を実現するだけでなく、脱原発と自然エネルギーを利用した分散型エネルギーシステムの実現可能性を世界に示す先駆的なモデルとなっている。
 また、建物は、山梨県の県有林のカラマツとスギのFSC認証材を90パーセント使い、環境に配慮するだけでなく、森林を活性化し、地産地消による経済の活性化にも貢献している。現代人が現代の生活を営みながら、自然環境と調和した生活を送るというモデル社会の構築を目指している。
 相互懇談では、教団の取り組みがどの程度信徒層まで広がっているのかという質問が出され、山岡氏から太陽光発電を例に現状について説明があり、電気やガスなどの使用量を記録する環境家計簿を配布して、数値として年度ごとに比較して日常生活の中でCO2の削減に取り組みも紹介された。
 そして職員からは、「木の温もりが心地よく、本来のあるべき姿を感じさせて頂いた」「ノーミートといわれる肉食を削減し、環境負荷の低減をはかる取り組みまでされ、とことん環境に負荷を掛けないような生活を求められていることに感動した」「本教のみ教えもこの天地を神様として頂いて、神様の働きを感じ、天地の恵みを受けて生かされているというのが土台となり信仰している。それを東京という場でどう感じて、実践していくかが難しいと感じるところがある。信仰実践としてここに移られたとい実行力、教えをそのまま現しているところに感心した。そういう姿を見させて頂いて、ここからどうみ教えを実践に移して行かれるのかが私たちの課題であると思う」「環境問題の取り組みという以上に信仰の取り組みとして実践されていることが大切なことだと思った」などの感想が述べられていた。