第39回 金光教東京平和集会
開催テーマ 「国際法の歴史を学び 平和実現の道を求める」
日時:2022年7月17日(日)14時~16時
会場:金光教館(JR秋葉原駅下車 昭和通り口から徒歩3分)およびオンライン
※参加お申込みは、7月13日をもって終了いたしました。
今年2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、両国は戦争状態に突入しました。それ以来ウクライナ国内では連日数多くの犠牲者や避難民が出ており、そのことに世界中の多くの人々が心を痛めています。それにもかかわらず今なお状況は予断を許さず、解決の糸口は全く見出せそうにありません。
本来国家間の紛争を解決するために存在しているはずの「国連」はほとんどその役目を果たすことができず、国際的な合意に基づき規定されているはずの「国際法」も場合によっては何の力も持たないことが広く知れ渡りました。一旦始まってしまった戦争を終わらせることは容易でなく、たとえどんな理由があったとしても戦争を始めることは決して許されないということが痛感されます。
こうした状況を受けて、今年の東京平和集会では「国際法と戦争」に焦点を当てて開催したいと思います。今日の私たちを取り巻く状況を正しく理解し、一人ひとりがこの問題について真剣に考えることによって、お道の信心を進める私たちの「世界真の平和と人類の助かり」実現への一つの契機にしたいと願っています。
なお、新型コロナウイルス感染症の状況次第では、実施方法および内容について変更することがあります。
※オンライン参加の方は、事前に以下の集会プログラムをダウンロードください。
集会プログラムダウンロード
争わない勇気
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が開始されて3カ月以上が経ちました。それ以来、テレビやネットからは毎日のように悲惨な映像が目に飛び込んできます。町並みは破壊され、人々は故郷を追われ、財産を失い、心に深い傷を負う人も後を絶ちません。ウクライナ・ロシア両国ともに数多くの尊い命が失われており、世界中の人々が一日も早い戦争の終結を願っていますが、事態は一向に解決しそうにありません。
そもそも、人は何故戦争をするのでしょうか。もちろん国を治める指導者には、場合によって国を守るために引くことのできない事情が存在することは理解できます。でも、過去に世界で起きたいろいろな戦争を見ても、戦争によって双方の満足する結果が得られたことはほとんどありません。必ずといっていいほど、どちらかが不幸な結果を受け入れざるを得ないことになっています。
戦争のない世界真の平和を願う
新型コロナウィルス感染症や気候変動による環境対策が待ったなしの状況下、地球規模での普遍的連帯が必要なときに、全くそれに逆行し、ロシアがウクライナへ侵攻した。冷戦が終焉したとき、国家間の直接的な戦争は起こらないと誰もが信じたが、無残にも裏切られた。それも小国やグループの独裁者ではなく、国際的な政治秩序である国連の安全保障理事国のロシアが公然とその国際ルールを破ったのである。これは到底許される行為ではない。
ただ、この問題の難しいところは、戦争は何も悪意を持って人を殺したいからするのではなく、自らの国や民族、集団の正当性を主張し、自分たちを守り、間違っている現状を正そうとして戦争を始めるからである。そこには正義感、同胞愛、理想といった善意に支えられ、自らの正義を持ち出し、その心の底に「間違っているあなたのためを思って正してあげる」という善意の使命感があるから始末が悪い。しかし、自ら正しいと信じていることが相手を責め傷つけてしまうあり方、個々のところで正しくても全体としては悪になったり、善意が悪となってしまう根本的な矛盾を抱える人間の難儀性があることも自覚する必要がある。